米国統合医療レポート
サプリメントについて
ここでは米国のサプリメントについて、日本の健康食品(保健機能食品も含む)と比較しながら、簡単に説明します。
サプリメントを摂る意味
サプリメントを服用することには、次のような意味があると考えられます。
1)不足しがちなビタミン・ミネラルを補給する
食事だけから必要なビタミン・ミネラルを摂取するのはとても難しいことです。不足しがちな分をマルチビタミン・ミネラル剤で補うのは、意味のあることだと思います。米国では多くの人がマルチビタミン・ミネラル剤を飲んでいます。
2)将来病気になるリスクを減らす
カルシウムと骨粗しょう症、大豆タンパクと冠循環器疾患、EPA・DHAと冠循環器疾患、葉酸と新生児の神経管障害など、既にFDAがリスク低減作用を認めている成分がいくつもあります。
さらに根拠の程度はさまざまですが、サプリメントの疾患リスク低減作用を示唆する研究はたくさんあります。
遺伝的にあるいは生活習慣上高いリスクを抱えている人々が、リスクに対応したサプリメントを摂取するのは、それらが安全なものである限り、合理的なことだと思います。
3)軽度・中等度の疾患や症状を緩和する
セントジョンズワートとうつ病、ギンコーと認知機能障害、メラトニンと時差症候群など、サプリメントに事実上薬効があることを示す研究はたくさんあります。サプリメントは優れたセルフメディケーションの手段のひとつだと考えられます。
4)現代医療と併用して効果を高め、副作用を減らす
まだ十分な臨床的根拠があるとはいえませんが、例えばマルチビタミン・ミネラル剤の服用により現代医療に対する反応が良くなることは、多くの医師が指摘するところです。栄養素の不足により衰えていた体の反応性が正常化することによるものと思われます。
また、医薬品とサプリメントの間に相互作用のある場合が多くあります。これが良いほうに働く場合、例えば抗菌剤と免疫賦活作用のあるベータグルカンの併用のように、相乗的に治療効果が高まることがあります。
また、スタチン系のコレステロール低下剤は、エネルギー産生系において不可欠なCoQ10の産生を阻害します。スタチン系薬剤の使用時にCoQ10を併用することは、米国の医師の間では次第に常識になりつつあります。
このように、医薬品とサプリメントのネガティブな相互作用に気を配りながらサプリメントを上手に使うことによって、現代医療の有用性が高まることが期待されます。
5)加齢を遅らせ、健康寿命を延ばす
まだ十分な臨床的根拠があるとはいえませんが、動物実験レベルでは、サプリメントの服用が生体の加齢現象を遅らせ、寿命を延長するという報告がたくさんあります。安全なものであるなら試みたいと思うのは人間の自然な感情でしょう。
6)栄養や健康についての「気付き」を促す
サプリメントを服用するようになると、自然にさまざまな栄養素の効能に関心が向かい、食事や生活習慣にも気を配るようになります。これこそサプリメントの最大の効用かもしれません。