・ 補完代替医療とは
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・ アンチエイジングとは
・ サプリメントについて
・ 東洋医学について
・ ベビーブーマーの役割
・ 行政の役割
・ 米国の健康保険 |
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米国で補完代替医療がこれほど盛んになった背景には、ベビーブーマー世代の存在があります。ベビーブーマーとは第2次世界大戦後1946−1964年のベビーブームのときに生まれた7,600万人をさします。日本の団塊の世代は1947−49年生まれの800万人ですからはるかに大きく、彼らの動向は米国社会を左右します。
彼らは親の世代と違って豊かな時代に育ち、多くが大学に進みました。青春の多感な頃にはベトナム戦争や大統領の陰謀「ウォーターゲイト事件」があり、反戦運動などを通じて国や大学などの権威に盲従することの危うさを知りました。そして伝説的なウッドストックのロックフェスティバルに興奮し、ヒッピーのドロップアウト志向や「ラブ・アンド・ピース」「自然に還ろう」というメッセージにも共感を覚えました。
高等教育を受け、自立心が強く、既成の考えにとらわれない。このように類型化されるベビーブーマー像の背景には、上記のような原体験があります。そして彼らの健康観・栄養観は、次のような変遷を経て形成されてきました。
1950年代は、いい食事とはたくさんの肉とポテトのことでした。60年代になると加工食品が広く消費されるようになりましたが、彼らには自然なものを大切にする感覚が育っていたので、自然食品を尊重する風潮が同時に芽生えました。同じころ、塩分と高血圧、高コレステロール血症と心筋梗塞などの関係が一般にも認識され始め、米国人は食べ物により関心を払うようになりました。
70年代には肥満の増加が問題になり始め、運動して体重を減らすことの意義が認識され、ジョギングやスポーツジムが盛んになりました。80年代には全体に生活が豊かになり、多くの人がグルメの楽しみを知りました。同時にサラダなど低脂肪・低塩分・低糖分の食事がもてはやされ、食事への関心は一層深まりました。
一方、米国の健康保険料と医療費はどんどん高くなり、一家の稼ぎ手であるベビーブーマーたちは不満を募らせました。彼らは医者に頼らず自分の健康は自分で守ろうと考え、病気や治療法について、医者に質問したり自分で調べたりするようになりました。
こういう変化を敏感に感じ取った病院や企業は、健康情報の提供を進んで行うようになり、健康専門のウエブサイトを開きました。インターネットの普及とあいまって、人類史上初めて、一般人の多くが自分の病気や治療について自分自身で調べるという社会が生まれたのです。
やがて厳格な食事制限を続けることにやや疲れた米国人は、90年代後期になって、日ごろは節制しながらも時には自分の判断で豊かな食事を楽しむようになりました。米国人はこのような試行錯誤を通して健康と栄養について学習し、食事でそれをコントロールし、運動でそれを補うことを覚えたのです。
栄養を補うサプリメントはそれにぴったりのものでした。そして彼らはこの過程で、ハーブ・ヨガ・瞑想・鍼灸など、既存の医学の枠に入りきらない、より自然な治癒を目指したさまざまな医療にも遭遇しました。彼らは持ち前の柔軟な態度でそれらを試し、自分が良いと思えばそれを受け入れました。

こうしてさまざまな補完代替医療が米国社会のあちこちにそれぞれの支持者を得て根付き、広がってきたのです。実際、多くの統計が補完代替医療の牽引車はベビーブーマーであることを示しています。
このベビーブーマーの先頭は60歳に達しました。社会的な活動は一段落し、一定の収入もあり、子供は独立しています。いま彼らの最大の関心事は自分の健康です。補完代替医療はますます彼らの手で鍛えられ、洗練されていくことでしょう。
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