補完代替医療とは「現代医療でない医療」のことです(こちらを参照)。これに対し統合医療とは、「現代医療と補完代替医療の両方の良い部分をすべて駆使した医療」という意味で用いられます。
補完代替医療が広まるにつれ、現代医療の専門家の中にもその良さを認める人々が増えてきました。そして補完代替医療を治療手段として取り入れ、補完代替医療の持つ現代医療には欠けている考え方を学びながら、新しい医療=統合医療(Integrative
Medicine)を生み出そうという動きが生まれました。
すなわち統合医療とは現代医療に属する人々が使い出した言葉です。中でも大学・大病院が率先して統合医療に取り組んでいるのが、米国の大きな特徴です。
従来の医療と統合医療の違いを、私の理解に沿って図示したのが次の2つの図です。下図は従来の医療で、医師と薬剤師が、医師主導の下に患者に治療を施します。患者はほぼ受動的な立場に終始します。
それに対し統合医療(下図)では、さまざまな治療手段があり、それぞれに専門家がおり、医師がすべてを指導しきれないことを認めます。その上で医師はオーケストラの指揮者のような役割を果たし、各施術者と連携をとり、全体の治療を把握し調和させます。その中心にいるのは患者・消費者であり、治療法を選択したり反応をフィードバックしたり、自ら主体的な役割を果たします。
統合医療に取り組む医科大学の全国連合体がCAHCIM(統合医療アカデミックヘルスセンター共同体)です。1990年代の後半、CAMが隆盛になるにつれ、さまざまな医科大学がCAMセンターを設立しました。そのCAMセンターが各大学の公式承認のもとで連携したのがCAHCIMです。
現在では北米にある約130の医科大学のうち、UCLA、コロンビア大学、ジョージタウン大学、ハーバード大学、ペンシルバニア大学など、32大学がCAHCIMに加盟しています。CAHCIMによる統合医療の定義と使命は下記のとおりです。
◆ 統合医療の定義
統合医療とは、施療者と患者の関係の重要性を再確認し、人の全体性に焦点をあて、エビデンスを持って情報提供し、最善の健康と治癒に到達するためにすべての適切な治療的アプローチ、ヘルスケア専門家および学問分野を活用する、医療の実践である。
◆ 使命
われわれの使命は、生物医学、人間の複雑さ、本来備わっている治癒力、および治療システムの豊かな多様性などを統合した、厳密な科学的研究、臨床治療の新しいモデル、および革新的な教育プログラムを通して、医学とヘルスケアが変わってゆくのを助けることである。
(下線引用者) |
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このようにCAHCIMは、補完代替医療の根幹概念を尊重しながら、すべての適切な治療手段と専門家を動員し、研究・治療・教育を通じて医学とヘルスケアを変えることを目指しています。
大学内には、補完代替医療に抵抗感を示す人々も少なからずいるはずです。それをクリアし、これほど多くの大学が公式にCAHCIMに合流しているという事実は、米国で統合医療がいかに真剣に取りくまれているかを示しています。
統合医療の実例として、全米1・2のがん専門センターと言われるスローンケタリング記念がんセンターの統合がん治療をまとめました。こちらをご覧ください。
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