・ 補完代替医療とは
・ 統合医療とは
・ アンチエイジングとは
・ サプリメントについて
・ 東洋医学について
・ ベビーブーマーの役割
・ 行政の役割
・ 米国の健康保険
|
|
米国では東洋医学は一般にも良く知られ、Traditional
Chinese Medicine(TCM:伝統中国医学)と呼ばれています。東洋医学のさまざまな治療法の中でも鍼灸の浸透は群を抜いており、米国にある60近い鍼灸大学からは毎年約2,000人の鍼灸師が最低3年間の専門教育を終えて誕生します。実際に診療している鍼灸師数はおよそ1万数千人から2万人と推定され、医師の中にも鍼灸の専門教育を受けて鍼灸治療を行う人々(医師鍼灸師)が3〜4,000人ほど存在します。
NIH(国立衛生研究所:世界有数の医学研究機関)も鍼灸の有効性を公式に認め、多くの健康保険が鍼灸治療をカバーするようになりつつあります。 大病院の中には鍼灸師を擁し鍼灸治療を施すところも多く、鍼灸は統合医療の重要な要素のひとつとなっています。鍼灸は米国社会に溶け込んだといえるでしょう。日本式の鍼灸も、その繊細さが評価されて独自の地位を保っています。(くわしくは米国の東洋医学をご覧ください)
米国の鍼灸の主流をなすのは中国系とフランス系の2つの系統です。フランス系はあまり生薬を重視しませんが、中国系は多くが生薬療法も併用します。医師鍼灸師はフランス系に属する人が大部分なので、医師には生薬療法はあまり普及していません。
生薬処方の素材としては、配合した刻み生薬を用いるところもあれば、エキス製剤を用いるところもあります。用いられる処方は中国処方が普通で、中国名がそのまま広く通用しており、製剤は中国・台湾系の企業が製造しています。日本の漢方は、本草製薬がひとり地道に啓蒙活動を行いながら広めていますが、普及度ではまだ限られています。
このように、鍼灸に比べると東洋生薬療法は中国色がかなり濃厚で、特殊な医療という感を免れません。一般の健康食品店にも東洋の生薬処方製剤はほとんど見られず、医師の間に広まる仕組みも特にないので、鍼灸治療を受けた人がたまたま処方されて東洋生薬の良さを知る、というパターンでの浸透しか当面は期待できないようです。
その他、大学や大病院において、気功、霊気、推拿(ツイナ)などが真剣に研究され実践されており、全体に米国における東洋医学への関心は高いと言えます。
日本における東洋医学と比較すると、患者一人一人の診察と治療にかける時間が長く丁寧であること、身体面ばかりでなく精神面のケアも併せて行われること、生薬療法はたいてい鍼灸療法とセットで行われることなど、さまざまな違いが感じられます。
|